独身教員寮に入った私立高校国語教員の田中は教育委員会に内密のレポートを提出する任務が与えられる。やや特殊な寮生活を過ごすうちに対立組織である組合に狙われているという現実か妄想かわからぬ世界に入ってゆくさまが描かれている。
主人公の幅広い洞察が深まってゆく中で、常識的な文脈から彼の戦争観が展開されてゆく。
誰が敵で誰が味方か、
どこからどこまでが現実で、
何が嘘なのか、
いつの間にか狂信的妄想世界に入ってゆく。
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要するに、戦争とはまったくのカメレオンのようなものである。
カルル・フォン=クラウセヴイッツ
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本書の冒頭にこの文章が掲げられている。
フォン=クラウセヴイッツの「戦争論」に感化された彼の論理が批判に耐えうるものか否か私には全くわからない。
しかし、そんなことはさして重要なことではなく、
狂気とはこのような深い混沌から生まれるものなのか、
と、私がおののけば作者の意図は達成されたことになるのであろう。
カメレオン狂のための戦争学習帳
