元少年だったお父さん達の郷愁を呼ぶ作品で、読んでいる最中に何度も忘れかけていた少年時代を昨日のことのように思い出す。作品は作者の実日記に基づくものなのか、完全に創作なのかはわからないが、元少年にしか知り得ないリアリティがある。設定は1970年代で著作は1980年代だが2010年の今読んでもさほどの古めかしさを感じないのは、描かれた本質が普遍的な少年心理だからだろう。
著者は、小説作法ABCという本の中で、作家は他人に知られたくないはずかしいことを書くべきだ、それが読者の読みたいことなのだから、と述べているがそれはこういうことを言っていたのだなとわかった、アフェア。
君が壊れてしまう前に (角川文庫)
