カウンター

2010年7月5日月曜日

島田雅彦 「悪貨」

最近、正義について、悪についての本が何冊か出版されている。これらをマイブームにして読書している人も多いと思う。何が何だかわからない世相を反映しているのだろう。「正義」の意味を広辞苑で調べてもよくわからない。「正義」の反対語は何か?「悪」は正義の反対に位置するものなのか?「善」との違いは何なのか? 

こんなことを疑問のもつこと自体、ヒマ人なのである。仕事がというわけではなく、思考を欲しているという意味で脳ミソがヒマなのだ。人生の中でこういうことを掘り下げる時期が何回かあってもいい。思春期にはまってしまい大学の哲学科に入学したりすると人生が茨の道になってしまうので止めた方がいい。あくまでも実践的な人生を闊歩しつつ時々考えるのがいい。ずっと考えているとノイローゼになるので止めといた方がいいのだ。

本書は、プロ作家が書く小説のお手本だ。現在の社会事象をきちんと掘り下げた設定を描き、全体としてのテーマ、思想が底に流れている。万人に読みやすい語り口と理解できるストーリーだが、その本質をきちんと捉えるのは難しい。三回くらいは読んでみないとわからない。

しおりとして挟まっている零円札はユニークだ。