家族を捨てて再婚した父親のところに毎月、お金をもらいにゆく主人公は姉と二人で生活している。姉と父親との確執の板挟みになる主人公は、毎月、川べりの道を歩いてゆく。家族なんていかに非普遍的でもろい形式か、という悲しい現実を受け入れざるを得ない人々は多い。だから多くの小説でメインテーマになりうるのだろう。
「かもめ家ものがたり」
昼は定食屋、夜は居酒屋となる店をきりもりする主人公コウと、そこに転がり込んできた鮎子。
最近、どこかで読んだような感じと思いきや「あいあるあした」(山本文緒)だ。
「朽ちる町」
週三回、塾の講師をする英明は、その町の変なにおいに気がつく。昔は遊廓であった町だった。においは本当に鍍金のにおいなのだろうか。
「川べりの道」、「かもめ家ものがたり」、「朽ちる町」は、
帰れぬ人びと (文春文庫)
